なるほど肝炎

肝炎コーディネーターインタビュー

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佐賀県では肝がんの死亡率が全国ワースト1という状況が長らく続いていました。肝がんの死亡率を下げるためには、その主な原因であるC型慢性肝炎1)の治療が必要2)と考えられています。そこで佐賀県は、佐賀大学医学部の協力を得てC型慢性肝炎の治療を推奨する取り組みを始めました。特に肝炎コーディネーターの育成には力を注ぎ、今では約650名もの肝炎コーディネーターが認定を受けています。

2回目のご紹介は、佐賀県の肝炎疾患専門医療機関(独立行政法人国立病院機構嬉野医療センター)で肝炎コーディネーターとして勤務されている朝永さんです。朝永さんに、お仕事の内容や患者さんとの関わり方について、お話をうかがいました。

1)工藤正俊他. 肝臓51(8): 460-484, 2010
2) 日本肝臓学会肝炎診療ガイドライン作成委員会 編:C型肝炎治療ガイドライン(第4.1版)2015年12月

安心して
治療を受けられるように

特任肝炎コーディネーター朝永奈緒美さん

独立行政法人国立病院機構 嬉野医療センター
地域医療連携室

特任肝炎コーディネーター

朝永 奈緒美さん

患者さんが安心して
治療を受けて
いただけるように、
サポートしています。

「肝炎コーディネーター」の仕事について教えてください。

C型肝炎ウイルス検査で「疑いあり」とされた方に、精密検査や肝臓専門医への受診をご案内しています。 また、C型慢性肝炎の診断が確定された方には、この病気や治療方法、さらに医療費助成制度に関する情報を提供しています。患者さんが安心して治療を受けていただけるよう、相談をお受けしています。

どのような相談が多いのでしょうか?

多いのはC型慢性肝炎の薬の副作用に関する相談です。やはり、これから治療を受けようとする患者さんにとっては、副作用が一番心配なようです。特にC型慢性肝炎の治療を以前に受けたことがある方やそのご家族から、よく相談をお受けします。こうした場合には、最近の薬は効果だけでなく副作用の面でも改善していることをお話しするようにしています。
治療費についての相談も多いですね。「C型慢性肝炎の新しい薬は大変高いと新聞に書いてあったのに、先生から説明を受けた支払額と違う。あとから治療費を請求されるのではないか?」などたずねられることもあります。治療によっては、肝炎の医療費助成制度を利用すれば自己負担額を月に1万円または2万円に抑えられることを説明し、その手続きも案内しています。
正しい情報をお伝えすることが、患者さんの安心につながると考えています。

※世帯全員の市町村民税(所得割)課税年額による

患者さんが明るく前向きに治療に取り組まれるように。

肝炎コーディネーターの活動で、どんなことにやりがいを感じますか?

私との会話をきっかけとして、患者さんが前向きになられた時はやりがいを感じます。
私たちが接する方は、治療目的で来院された患者さんだけではありません。以前にC型慢性肝炎と診断されたものの、まだ治療予定のない患者さんとお話しする機会もあります。こうした患者さんに、C型慢性肝炎の最新治療についてお話ししますと、「効果が高くて副作用も少ない薬があるなら、治療を考えようかな」「飲み薬なら治療できそう」と、お考えが変わることもあります。
治療後に、「検査でC型肝炎ウイルスが陰性になった」、「何度も声をかけてもらい、あの時に話を聞けて良かった」、などお声掛けいただくこともあります。肝炎コーディネーターとしてこれほど嬉しいことはありません。

患者さんに寄り添い、見守りながら、
必要とされる情報を確実に。

患者さんとお話しされる際に、どのようなことを心がけていらっしゃいますか?

検査や治療を無理強いせず、患者さんのお気持ちに寄り添ってお話しすることを心がけています。たとえば、別の病気で受診され、検査中に偶然、C型慢性肝炎がわかることがあります。このタイミングで患者さんとお話ししても「今の病気のことで頭がいっぱいで、C型慢性肝炎のことまで考えられない」とおっしゃる場合もあります。そのお気持ちはよくわかります。こうした方には、今治療されている病気が落ち着いた頃合いをみて、改めてお声がけするようにしています。なかには、「C型慢性肝炎の治療を受けるつもりはありません」とはっきり断られる患者さんもいらっしゃいます。そうした方にも一回のお声がけで終わりにせず、見守りながら、次にお声がけする機会をうかがうようにしています。そして、「当院の肝臓専門医と、お話だけでもされてはいかがですか」と勧めるなど、少しでも患者さんに受け入れていただきやすい選択肢を提示するようにしています。

どのような肝炎コーディネーターを目指されていますか?

肝炎コーディネーターになる前は、看護師としてC型慢性肝炎の治療に携わっていました。当時、C型慢性肝炎の薬の副作用で悩まれている患者さんと接することもありました。そのため、もっと勉強して患者さんのケアに活かしたいと思い、肝炎コーディネーターの資格を取得しました。
私が目指すのは、患者さんに安心して治療を受けていただけるよう、必要な情報を確実に伝えられる肝炎コーディネーターです。そのためにもっと勉強して肝炎の知識を深めたいと思っています。